医療器具の末路
C型肝炎が血液製剤フィブリノゲンによって、多くの人に感染を広げてしまった「C型肝炎訴訟」は実に記憶に新しい。
いかに、ヒト由来の生物製剤がウイルス汚染のチェックも無く生産されていたのかと言う恐ろしさを感じた。現在の医薬、医療器具、化粧品と言ったものについては、ヒト由来、動物由来共に厳しいチェックを受けて、生産されていることは、言うまでも無いだろう。
さて、医療現場のスタッフであれば、ヒトの血液、体液に触れずに済むと言うわけにはいかないだろう。特に医療器具を使うところでは尚更だろう。
ひとたび、滅菌されていた医療器具であっても患者さんの手術、透析、検査などに使われれば全てが、感染性の廃棄物となる。ほとんどの医療器具は二次感染の危険防止から、再使用や再滅菌をして使用することはありえない。全てが感染性の廃棄物となるのである。
普通に病気で病院に行っても、病院から排出される感染性廃棄物のことに目が向く人などいないし、実感も無いだろう。
基本的に、感染性廃棄物はマテリアルリサイクルに優れた樹脂であろうともリサイクルされることは無い。透析患者さんが使う血液回路や、心臓手術で用いる人工心肺回路、シリンジ、注射針、スピッツ管などなど。
材質的にいえば、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などなど様々である。
高度医療は、結局、ディスポーザブルな医療器具あって成り立っているわけである。医療行為が終了すれば、お役ご免となるわけである。昔のように煮沸滅菌してガラス製の注射器を使い回すことなど在り得ない話である。
透析用の血液回路や人口心肺回路のチューブは殆どが塩化ビニル製である。全国の病院でどの程度使っているかは知らないが、相当な量になることは間違いない。これらの医療器具は、結局のところ高温で焼却され、二酸化炭素、その他のガス、灰になってしまうのである。焼却処分に際してもダイオキシン対策や二次感染対策が重要となってくる。医療器具は、感染性廃棄物になりゴミの中でも厄介な存在となっている。
昔の話では在るが、廃棄物処理業者がきちんと処分せずに、感染性廃棄物を砂浜に投棄したというニュースが思い出される。注射針など誤穿刺すれば何らかのウイルス、細菌が付着していれば感染の危険がある。血液、体液に汚染されたものが粘膜等に触れても同じである。
感染性廃棄物は、リサイクル、リユースなどを無視して、正しく処理をしなければ、二次感染を起こす可能性があるのだ。多少環境に負荷を与えることになるだろうが仕方なのないことなのだ。





















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